VAEによる異常検知とデータの区切り技術で、品質管理の業務効率化とコストダウンを実現
システムの特長とAI技術について
VAEで異常検知を行ったデモ
商品のキズや汚れを自動的に検知し、どんな商品の小さなキズや汚れも検知することが可能です。品質管理など、様々な場面で利用可能です。
生産現場の品質管理の課題として、熟練工による全数目視検査の膨大な作業負荷が存在しており、これらの負荷や人員コスト軽減のニーズが昨今の生産現場で求められています。当社では、AIによる異常検出で傷や不良品を仕分けして目視検査の作業負荷を軽減、業務効率化やコストダウンを実現します。
正常データのみで異常検出を可能にする
アノテーション作業が不要な教師なし学習の1つであるVAE(Variational Autoencoder)の技術を使い、正常データのみで異常検出を可能にしました。VAEは入力に画像を与えると、類似画像を復元して出力します。このとき、正常な画像データだけをVAEに学習させることで、VAEの復元画像は正常なものばかりとなり、異常な画像を入力した場合でも正常な画像を復元します。その際、入力画像と復元画像に生じた差分を異常とみなし、不良品として検出することが可能です。VAEは多様で数が少ない異常データが不要であり、かつ精密部品の傷や、溶接・被服・農作物などの不定形な形状の検査が可能、幅広い分野で活用できます。
データの区切りを検出する技術と異常検出技術で検品時間を最短化
製品の検品作業を自動化する場合、部品自体のスタート地点を判断する必要があります。検品時の映像は周期的な変化になることが多いため、周期を認識することでスタート地点を判断できます。特殊なVAEを使うことで、VAEに周期的な変化を学習させることができます。その結果、製品の映像を読み込むだけでデータの区切り(どこまでチェックしたか)が判別でき、製品1つにかけるチェックを最短で完了できます。データの区切りを検出する技術と、VAEを使った異常検出技術を組み合わせることで、より効率的に検品作業の自動化が可能になります。
異常検出技術の応用事例
- 複雑で精密な工業製品の異常検知
- 農作物や被服などの不定形な形状検査
- 機械製品の故障、劣化予測
- 塗装、溶接などの品質管理