みなさんこんにちは。ネクストシステムの田中です。
本日は今AI界隈で話題のOpenCV DepthAIカメラ「OAK-D」を弊社エンジニアが入手して会社に持ってきてくれたので、触ってみた所感をまとめてみました。
もくじ
OpenCV DepthAIカメラ「OAK-D」とは?
OAK-Dとは、深度とカラー画像を得られるUSB接続のAIカメラです。両端にモノクロレンズ2つと中央にRGBカメラが付いてます。
通常パソコン側で推論しますが、こちらの製品はなんとカメラ側で推論が可能なのです。つまりパソコンに高性能なGPUは不要。消費電力やPCコストを抑えたい場面で活躍しそう。
また、直販価格も2万円台と大変お求めやすいお値段になっています。
▼OAK-D製造元販売ページ
▼日本での販売ページ(スイッチサイエンス)
触ってみた所感は?
OAK-Dには以下のようなサンプルのソースコードが用意されてたのでいくつか動かしてみました。
▼サンプルのソースコードはこちらから辿れます。
age-gender: 年齢性別
coronamask: マスク検出
efficentnet-classification: efficentnetのクラス分類
efficentnetDet: efficentnetDet
face-recognition: 顔認証
fatigue_detection: 居眠り検出
gaze-estimation: 視線推定
head-posture-detection: 頭の向き
human-machine-safety: 危険行動検知
human-pose: 姿勢推定
license-plate-recognition: ナンバープレート識別
palm-detection: 手のひら認識
peaple-counter: 人物カウンター
pedestrian-reidentification: 通行人再識別
social-distance: ソーシャルディスタンス
fire-detection: 火検出
30秒で動作する手軽さ
通常、機械学習のサンプルを動かすのは環境構築と呼ばれる作業が難所の一つです。
物によっては1~2週間かかることもザラ。
しかし、OAK-DはPython3実行環境があればコマンド2つですぐ動きました。
公式サイトにある30秒で動作するという謳い文句は本当です。
代表的なサンプルはステレオカメラによる深度とオブジェクトディテクション(物体検出)で物の三次元座標を表示するものです。20FPSと表示されており、かなり早く動作します。
複数種類の推論の並列動作にも強い?
推論チップはNeural Compute Stick2などで使われるMyriad Xです。
変換はOpenVinoを使いますがこれは比較的簡単に変換ができるのが良いところだと思います。
過去にMyriad Xを使った時の印象としては複数の推論を並列に動作させたときに強いという印象でした。
複数のモデルを組み合わせた課題解決に役立つかもしれません。
深度測定はステレオカメラ方式
深度測定はステレオカメラ方式です。
ステレオカメラ方式がTime of Flight(ToF)方式と比較した利点と欠点は以下です。
■利点
・太陽光下でも使えること
・髪の毛など反射するものがとれること
■欠点
・暗いところでは使えないこと
・模様のない被写体には使えないこと
・繰り返し模様は精度が落ちること
・精度はTime of Flight(ToF)方式に劣ること
また、ステレオカメラの別の使い方として左右のカメラでそれぞれ推論して二次元座標を求め、三角測量で三次元座標を得るという使い方も考えられます。
ラズパイやJetsonでも動作!ハードウェアを含めオープンソース
USB接続のカメラですがUVCには対応していないようです。
今回はWindowsPCで動かしてみましたがラズパイやJetsonでも動作するようです。
またハードウェア含めてオープンソースなのも凄いところですね。
まとめ
カメラ側で推論できるのでパソコンに高性能なGPUは不要というのがやはり画期的なのでは。
一般ユーザーにも手が届きやすいですよね。
弊社エンジニアが購入したのはステレオカメラ付きのUSB接続の製品ですが、実は亜種が結構あります。USBではなくWiFiやBlueToothや電源供給付有線LAN接続のものや、パソコンとつなぐのではなくラズパイ一体型とかあったりもするんですよね。つなぎ方いろいろで使える幅が広くAIを使うIoTの決定版になりそうな気がします。
ちなみに購入用途としてはゲームで利用したいとのことでした。
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