皆さんこんにちは。
最近キャンプに行ってテントを忘れた広報の田中です。
片道3時間かけての誕生日キャンプだったんですが、荷物を降ろしたらテントがなくて度肝を抜かれました。そんなことある????
そんな悲しい誕生日はさておき。
ピチピチの2021年度の新卒社員も入社し、本来なら新卒の方に光を当てるべきところを少し行きすぎて2020年度の新卒社員であり、xRクリエイターの井岡氏に話を聞いてきました。
もくじ
■井岡 良介氏 プロフィール
某国立大学の芸術工学部修士。プログラミングは大学生から。
イケメンで頭がよくて英語ができてダンス教室に社会人になっても週3で通いながら趣味でゲーム開発をしてコンペに出すなど才能と努力が共存するスペック高男だが、制作したゲームの内容がわりかし狂ってるためトントンになってる男。人間に興味がある。
狂い例)※後述あり
・墓石から卒塔婆が射出される系タワーディフェンスゲーム「ハカイシ」
・カメラに向かって印を結ぶと技が出せて攻撃できるシューティングゲーム「印VADERS」
Q1:大学生時代にやっていた研究は?
単純に「人の心がよめたらカッコよくね?」と思いまして、学部時代は心理学科にいました。
あまり耳馴染みのない分野だと思うんですが、認知心理学や知覚心理学系の研究室にいて、主に知覚心理学の方で人間の感じ方について研究していました。
そもそも人間に興味があったんですよね。
処理の順番的には知覚心理学→認知心理学みたいなイメージで、それぞれ簡単に説明すると
認知心理学は好きとか嫌いとか怖いとか、人間の高次の処理メカニズムを追う学問で、知覚心理学は何色に見えるかとか、重いとか、熱いとか、輪郭が見えるとか人間の主観があまり介在しない人間の低次の処理メカニズムを追う学問と言われています。僕は特に知覚心理学について研究してました。
人間には与えられた情報を自動的に処理して感覚等に変換するシステムが備わっているとされているのですが、そのシステム自体は外から見えずブラックボックスになっているんです。なので統制された刺激を人間に与えて反応からそのシステムを逆算して推測する。みたいなことを研究してました。
Q2:大学院時代にやっていた研究は?
大学院時代の修論は視覚由来の自己移動感覚とVRに関することを研究しました。
簡単にいうとVRのリアリティをよりUPさせるにはどうしたらいいかっていう研究です。VR使用時の人の感覚について調べている競争相手は当時全然いませんでしたし、VRがまだ見ぬ面白いものを見せてくれるんじゃないかなというところをモチベーションにしてました。
今までの僕の認知心理学の研究にも通じるところがあるのですが、VRって人間の感覚に特化した分野だと思うんです。人間の感覚を生じさせるのに必要な最低限の刺激や情報を与えることで、現実世界を使用者の主観世界において再現する分野がVRだと考えてます。
じゃあ人間の普段見てる主観ってなんなの?っていうことで
まず人間がどのような情報を用いて生活しているのかというところを調べてから、それをVRに落とし込むことでVRのリアリティを向上させることに繋がるのでは?というような内容で修論を書いていました。
例えばHMD(ヘッドマウントディスプレイ)も人間に特化した仕組みで、鳥や虫は人間には見えない紫外線が見えますが、人間には見えないのでHMDではギュッと絞って、人の可視光だけを再現してます。当たり前ですが画面の位置も人間の目の位置に合わせてますよね。
逆にいうと人間の主観と同じだけの視覚の情報を最低限与えてやればVRでも現実と同じように感じるって寸法です。
ちなみにVR酔いってなんで起こるかご存知ですか?
人間における視覚情報の割合って8割くらいを占めているとも言われていてとても大きいんですよ。そんな視覚に頼ってる人間の視覚が大きく動くと、体も一緒に「動いている」と認識するんです。でもVRの場合、視覚だけ動いて体は実際に動かないのであべこべになっちゃうんですよ。これがズレがVR酔いの原因です。
つまり視覚がうごいたら体も動くとVR酔いをしないはずなのですが、それはスペースが必要ですし難があるんですよね。なので他にも体に刺激を与える、振動を与える、風を与える、三半規管を刺激する(これは危ない場合がある)みたいなアプローチがあって、一般的には風がよく使われてます。僕もこの辺り実験したんですが、部分的な結果は出たのですけど個人差が結構あって。それを活かしてコンテンツとして着陸させるところまでは圧倒的に時間が足りませんでしたね。コンテンツになったらお金にしようと思ってたんですけど。
ちなみに赤ちゃんはチンパンジーの顔の違いがわかるんですよ〜。そこまでの能力は生きる上で必要ないので成長過程で失われていきます。これも進化・・・!
チンパンジーの顔がわかる時代が私にもあったのか・・・人間ってすごい。
Q3:ネクストシステムに決めた理由は?
手を動かすのが好きなので、出来れば何を作るか考えるところから全部やりたかったんですよね。ネクストシステムはその辺り実力があれば任せてもらえるということで決めました。
実力がつくにつれて裁量も指数関数的に大きくなっていくのですが、プログラミングはほとんどやったことがなかったので、知らないことも多くて必死ですね。
あとは、新しい技術に対しての向き合い方がポジティブな人が多いのがいいですね。
あとフットワーク軽いところでしょうか。緊急事態宣言出た直後に在宅勤務に切り替えたりとか。社長もすぐ新しいVRの機器とかでたら買ってくれるし。
ネクストシステムについては、福岡でVRをやっている会社を調べていたらHPが出てきたのでそこで知りました。ブログを一通り読んで中々はっちゃけてる会社だなと思った記憶があります。自分がそのブログに載る側になっているのは少し面白いですね 笑
ほう。いにしえの私のブログをみたのか・・・。一緒に唇ひとまわり大きく塗ってみる?
勘弁してください
Q4:現在の業務内容は?
今はVR関係の案件と機械学習系の案件を行ったり来たりしてます。
機械学習は全然やったことなかったんですが、知らないことを振られた時に面白がれるタイプでよかったなと思いますね。
いままでプログラミングの経験もあまりないので、新しい案件に入った時は毎回「なんだそれは???」ってなるんですが、僕の場合は今までやってきた研究が結構似てるなと思うことが多いのも入りやすい要因かもしれません。
例えば僕がやっていた研究では人間が顔を部分的に見ているかどうかを調べるために、顔の画像にブラーをかけて調べたりするんですが、機械学習も全体的に同じようにするんですよ。
あと納期前は大体大変ですね。納期直前に重めの不具合があると結構精神にくるのですが、先輩方は飄々としているように見えるので不思議です。潜ってきた場数が違うなという感じがします。
Q5:社内に尊敬する人はいる?
先輩方はつよい方ばかりなので結構皆さん尊敬してますね。特に案件が被った方々には色々と教えて頂いているので頭が上がらないです。
あと同期なんですが前の記事で出てきた成将くんは入社半年くらいで打ち合わせ一人で回し始めたので「は????」って思いながら見てます。
さっさと年収1000万になってほしいですね。
▼同期の成将くんの記事はこちら
Q6:今後の展望は?
今のところ、できるようになったことが箇条書きで書けるくらいにはなりましたね。
元々周りにプログラマーがいなくてプログラミング関係のことは独学と勘でやってたので「これがプログラミングかー!」という気持ちです。
最近業務でも使うのですが機械学習って面白いなと思ってまして勉強してます。趣味で友人と、機械学習でWebカメラから手のジェスチャーを認識させるOSSと連携させたゲーム「印VADERS」を作ってるんですが、それが結構面白くなりそうなので自分で機械学習部分を作れると出来ることが増えていいな~と思ってます。
あと社内で機械学習が強い人たちが話してるの聞いてると面白そうなのでさっさと突っ込めるようになりたいですね。ただそのためには超えないといけない技術的なハードルが5個6個あって、一朝一夕でどうにかなるものでもないので、少しずつやっていこうと思います。
▼「印VADERS(インベーダーズ)」
陰陽術を駆使し、侵略者を薙ぎ倒したり、洗脳したりするシューティングゲーム。
カメラに向かって印を結ぶと技が出せて攻撃できる。なんで?
▼「ハカイシ」
破壊石(ハカイシ)から卒塔弾(ソトバレット)が射出される系タワーディフェンスゲーム。最終ボスは異世界系漫画で異世界に飛ばされる際によく使われる転生トラックです。どうして?
Q7:在学中にやっておけばよかったことは?
線形代数とかC#とかPythonとかアーキテクチャとか無限にありますね!
在学中もそれなりに色々と勉強していたつもりではあったのですが足らない部分が無限にあるので慌てて勉強してます。
Q8:ネクストシステムにあってそうな人は?
好奇心が高い人がいいと思います。
個人的には変なもの作って見せびらかしてきてほしいです。僕、技術の無駄遣いと努力の方向音痴が好きなんですよ。そんな作品を作ってきてサプライズしてくれる楽しい人がいたら僕が喜びます。
もしネクストシステムに入りたいという方は、勉強であったり制作であったり、まとまった時間が必要なものを今のうちにやっておくといいと思います。
まとめ
どんな課題に対してもアレルギーなく果敢にチャレンジをしてどんどん吸収していく井岡氏。これからも頑張って欲しいですね!
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